「虚言」改め『妄言』

ENo.3.本田健斗 / 作成:2026/07/29 00:50 / 更新:2026/07/29 22:08
かつて自分は「死にたかった。」運良く誰も死ななかっただけの殺人未遂と傷害事件を神秘の覚醒による暴走によって引き起こしながらも一切裁かれる事なくしばらくの間軽い監視が付くだけで終わったからだ。あの世界では一度神秘を見れば忘れてはいおしまいとはならない。もしかしたらあの後裏に引き込まれて何度も危険な目に遭ってる人が居るかもしれないし、極端な話そのせいで亡くなった人が居る可能性すらある。
だからあれから被害者達がどうなったかは知らない、知りたくない。

だからかつては、「死にたかった。」けれどそれから時が流れて恋人が出来た、そうして自分は死にたくなくなった。愛する人と共に生きたいと願うようになった。ああ、自分はなんて卑怯だろうか?そしてあれからついに人を殺めた自分はそうでなくても地獄に堕ちると信じていたのにいざ死ぬとどうやら思っていたのとは全く違う場所に飛ばされたらしい。果たして本当に死んだのか、常人なら死ぬような怪我でも生きてさえいれば1時間もあれば行動出来る程度には再生するとはいえ一度致命傷を受けたが故に臨死体験を受けているのか結局未だに結論を付けられないでいる。

……付けられる訳がないだろう、今の自分はもう『死にたくない』のだから。
その手を血で染めておいて、そして全身すら自らの血で染まった癖になんて滑稽なのだろう。